2016年6月19日日曜日

ゼリーのタンパク質を切る !

牛乳に含まれるタンパク質をつなげて大きくするのは大変です。
それでは逆に、ゲルになったタンパク質を切って短くすればゲルにはならないのでしょうか?
そこで、ゼラチンのタンパク質を切ることにしました。
ここで問題です。ゼリーをミキサーで5分でぐしゃぐしゃにした後、
加熱して融かし、冷やすとどうなると思いますか?………答えは「元通りゼリーになる」です。
この結果には一同驚きました。タンパク質の長い分子もミキサーによってある程度は物理的に
破壊されて短くなるものと思っていたからです。分子はそう簡単には切れないようです。




そこで、次はコンタクトレンズの洗浄液でタンパク質分解酵素が成分として入っているものを加えて
同様に実験すると………下の図の通り、ゼリーは固まりませんでした。
やはり分子レベルで酵素によって分解しないとタンパク質って切れないんですね。
この分解酵素で処理したゼラチンも電気泳動させてもらいましたが、スメアリングした状態(はっきりとしたバンドがみられず、全体的にベタッと帯状に染まった状態)が見られました。
おそらくタンパク質分解酵素により様々な大きさのタンパク質ができたことが原因と考えられます。
同様に豆腐でも実験を行い、同じ結果が得られました。












































「牛乳はなぜ豆腐にならない?………それは牛乳に含まれるタンパク質が小さいからさ。」
こんなことってあまり知られてないんじゃないでしょうか?なかなかおもしろい実験でした。
2年前の実験ですが、当時ブログをまめに更新する習慣がなかったため、ここで紹介させて頂きました。

分子量が大きくないとゲルにならない!?

これらの結果から、ゲルになるにはタンパク質の分子量がある程度大きくないといけないため、
比較的小さい分子量のタンパク質しか含まない牛乳はゲルにならないのではないかという結論に達しました。パスタに例えると、スパゲッティーはからまっても、マカロニはいくらあってもからまらないということです。
この結果は平成26年12月25日に行われた日本化学会近畿支部主催の第31回高等学校・中学校化学研究発表会にて発表を行い、奨励賞を頂きました。








論より証拠

タンパク質のヒモの大きさがゲル化に関係しているのではないか?
そのような推論をしたものの、やはり実験結果が伴わないと説得力に欠けます。
そこで2014年12月に大阪大学タンパク質研究所の栗栖先生にご協力頂き、
食材を構成するタンパク質の分子量を測定する実験をするに至りました。
SDS-PAGEという手法で、SDSという界面活性剤で変性させ陰イオンをつけたタンパク質を、ポリアクリルアミドゲルの中で電気泳動させます。
するとマイナスに荷電したタンパク質はプラス極に引き寄せられますが、分子量の違いにより泳動速度が変わります。
大きければ遅く、小さければ速いため、マラソン大会のように、時間が進むほど分子量ごとに分かれます。
下の図がその結果です。やはり牛乳には小さい分子量のタンパク質しか含まれていません。
普段の食材に含まれるタンパク質に、このような差があることに驚きました。





タンパク質の分子量に着目!

食品を構成するタンパク質自体に何か違いがあるのではないか?
そのような疑問を抱いたまま、しばらく時間が経ちました。
タンパク質の分子量(ヒモの長さ)はどうなっているんだろうと考え、
インターネットから、牛乳、大豆、卵白、ゼラチンに含まれる
主要なタンパク質の分子量のデータを入手し、比較しました。
すると、以下のように、牛乳に含まれているタンパク質は最も小さいことがわかりました。


「牛乳から豆腐はできるか?」の続き

そういえば、かれこれ2年前に取り組んだプロジェクトの結末をご報告途中で終わっていました。
話としてかなり良いまとまりになりました。しばらく内容がとびましたので、順を追って説明します。
1.豆腐屋さんを見学させてもらう。
2.豆乳は加熱してにがりを加えるとゲル化することがわかる。
3.牛乳も豆乳と同じタンパク質を含むコロイド溶液である。
4.牛乳も同様に加熱してにがりを加えるとゲル化するのか?
5.試みるもゲル化は起こらず。
6.「豆腐ができる豆乳」にはタンパク質が多いことが判明。
7.牛乳にスキムミルクを溶かしてタンパク質を増やして再度試みるもゲル化せず。
8.豆腐以外にタンパク質のゲル化を利用した食品を探す。
9.プリンや茶碗蒸しは卵、ゼリーは豚のコラーゲンであることを知る。
10.ゲルになった状態でのタンパク質の量を比較するとゼリーが圧倒的に低いことを知る。
ここまでは以前ご報告した内容です。

承風祭の企画

体育祭も終わり、次は承風祭(文化祭)です。
化学部の本番といったところでしょうか。
今年は化学部で「マジック」を考えています。
あっと驚かせた後にちゃんとした解説付きのマジックです。
6月16日(木)と17日(金)は、全員でネタの検討をしました。
さて、どんな内容になるでしょう?請うご期待です。

2016年6月13日月曜日

グルテンてこんなもの

6月13日(月)は、うどんの研究テーマでは初の実験に踏み切りました。
薄力粉からのグルテンの抽出です。薄力粉をこねて木綿布で包み、流水中でさらにこねると
粘り気と弾力性のあるものが残りました。どうもこれがグルテンのようです。
うどんの腰を生み出すタンパク質グルテンとはどのようなものなのでしょう?
洗い流されたデンプンを加熱してアルファ化し、ヨウ素-デンプン反応も観察しました。
小学生も知っている簡単な反応ですが、青色のきれいさにしばらく目を奪われました。
今後の実験の進展が楽しみです。