牛乳に含まれるタンパク質をつなげて大きくするのは大変です。
それでは逆に、ゲルになったタンパク質を切って短くすればゲルにはならないのでしょうか?
そこで、ゼラチンのタンパク質を切ることにしました。
ここで問題です。ゼリーをミキサーで5分でぐしゃぐしゃにした後、
加熱して融かし、冷やすとどうなると思いますか?………答えは「元通りゼリーになる」です。
この結果には一同驚きました。タンパク質の長い分子もミキサーによってある程度は物理的に
破壊されて短くなるものと思っていたからです。分子はそう簡単には切れないようです。
そこで、次はコンタクトレンズの洗浄液でタンパク質分解酵素が成分として入っているものを加えて
同様に実験すると………下の図の通り、ゼリーは固まりませんでした。
やはり分子レベルで酵素によって分解しないとタンパク質って切れないんですね。
この分解酵素で処理したゼラチンも電気泳動させてもらいましたが、スメアリングした状態(はっきりとしたバンドがみられず、全体的にベタッと帯状に染まった状態)が見られました。
おそらくタンパク質分解酵素により様々な大きさのタンパク質ができたことが原因と考えられます。
同様に豆腐でも実験を行い、同じ結果が得られました。
「牛乳はなぜ豆腐にならない?………それは牛乳に含まれるタンパク質が小さいからさ。」
こんなことってあまり知られてないんじゃないでしょうか?なかなかおもしろい実験でした。
2年前の実験ですが、当時ブログをまめに更新する習慣がなかったため、ここで紹介させて頂きました。