2015年3月19日木曜日

『池高×京造×兵庫県立美術館 アートプロジェクト』 ACOP本番 ナビゲーター所感Ⅲ


私はもともと我が強く、自分と違う意見を聞くことが苦手でした。しかしこのACOPを通して、相手の意見をきちんと聞き、「私はそう思っていない」ではなく、「そんな見方もあるんだ」と考えやすくなりました。

ひとつの物事なのに、人によって違う見方がある。それは私にとって興味深いテーマになっています。今回のACOPでは「森の掟」という岡本太郎の作品を鑑賞させていただきました。この絵画は、ほとんどの人が見たとき「背景は森」だと認識し、自然に関連のある絵だという方向で話が進みます。しかし、背景の他に描かれているものは、人か動物かさえ判断できなかったり、奇抜な柄だったり、ファスナーがついていたり、とにかく一言では説明できません。それらが何なのかと考えるとき、それぞれの視点の違いが見えてきます。そこで、自分と異なる見方が「面白い」と感じられました。

今回、美術館で鑑賞ナビゲーターを担当させていただくという非常に貴重な経験をさせていただいたことで、本当に多くのことを学べました。
初対面の方々との鑑賞は初めてでしたが、積極的に発言してくださる方ばかりで、有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。